2012年11月2日金曜日

11月2日


◎今日のテキスト

 真贄《しんし》の隣に熱意なる者あり。人性の中に若《も》し「熱意」なる原素を取去らば、詩人といふ職業は今日の栄誉を荷《にな》ふこと能はざるべし。すべての情感の底に「熱意」あり。すべての事業の底に熱意あり。凡《すべ》ての愛情の底に熱意あり。若しヒユーマニチーの中に「熱意」なるもの無かりせば、恐らく人間は歴史なき他の四足動物の如くなりしなるべし。
 労働と休眠は物質的人間の大法なり、然れども熱意は眠るべき時に人を醒《さ》ますなり。快楽と安逸は人間の必然の希望なり、然れども熱意は快楽と安逸とを放棄して、苦痛に進入せしむることあり。生は人の欲する所、死は人の恐るる所、然るに熱意は人をして生を捐《す》て、死を甘受する事あらしむ。
 ――北村透谷「熱意」より

◎息を吸うことに難儀がある人

 ながらくうつ病やパニック障害を持っている人たちと接してみると、呼吸法のときに息を吸うことに難儀を訴える人が多いことに気づく。
 息をいっぱいに吸いこむことができない、胸に痛みがあって大きく吸えない、肺がいっぱいになる感覚がわからないなど、表現はさまざまだが、これ以上息を吸えないというところまで肺をいっぱいにすることができない人が多い。
 これらはいずれも、長年にわたる浅い呼吸によってこわばってしまった呼吸筋のせいだ。ゆったりした呼吸法で呼吸筋をほぐし、強化していくことによって、時間をかけてゆっくりと深い呼吸を取りもどすことを心がけるといいだろう。

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