2012年11月17日土曜日

11月17日


◎今日のテキスト

 あさ、眼をさますときの気持は、面白い。かくれんぼのとき、押入れの真っ暗い中に、じっと、しゃがんで隠れていて、突然、でこちゃんに、がらっと襖
ふすま
をあけられ、日の光がどっと来て、でこちゃんに、「見つけた!」と大声で言われて、まぶしさ、それから、へんな間の悪さ、それから、胸がどきどきして、着物のまえを合せたりして、ちょっと、てれくさく、押入れから出て来て、急にむかむか腹立たしく、あの感じ、いや、ちがう、あの感じでもない、なんだか、もっとやりきれない。箱をあけると、その中に、また小さい箱があって、その小さい箱をあけると、またその中に、もっと小さい箱があって、そいつをあけると、また、また、小さい箱があって、その小さい箱をあけると、また箱があって、そうして、七つも、八つも、あけていって、とうとうおしまいに、さいころくらいの小さい箱が出て来て、そいつをそっとあけてみて、何もない、からっぽ、あの感じ、少し近い。
 ――太宰治「女生徒」より

◎免疫力がためされる季節がやってきた(二)

 免疫力というのは「鎮静・回復」の身体状態のなかで発揮される。活発に活動していたりストレスを受けて交感神経が優位になっているときには、免疫力は低下している。免疫系より活動系にエネルギーが使われるからだ。
 そのかわり、たくさん活動したあとにしっかり休息を取れば、鎮静・回復系の副交感神経が優位になり、病気耐性である免疫系が働きはじめる。この振幅を利用して免疫力・自己回復力を高めようというのが、ヨガのアーサナ(ポーズ)の原理である。
 問題はストレスにさらされ、過労をしいられている現代人が、なかなか鎮静・回復系の副交感神経を優位にするリズムを日常生活のなかで作ることが難しい、ということだ。

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