2012年11月12日月曜日

11月12日


◎今日のテキスト

 この頃咲く花に石竹《せきちく》があります。照り続きで、どんなに乾いた磧《かはら》にも、山道にも、平気で咲いてゐるのはこの花です。茎が折れると、折れたままにその次の節からまた姿勢を持ちなほして、伸びてゆくのはこの花です。細くて、きやしやで、日盛りのあるかないかの風にも、しなしなと揺れるほどの草ですが、針金のやうな強い神経をもつてゐて、多くの草花がへとへとに萎《しな》びかかつてゐる灼熱の真つ昼間を、瞬きもせず澄みきつた眼を開いて、太陽を見つめてゐるのはこの花です。茎を折つても、水気ひとつ出るではなし、線香のやうに乾いた髄を通して、生命が呼吸してゐるのはこの花です。砂の夢。灼《や》けつく石の夢。そしてまたどんな貧しい土地にも、根をおろして伸びてゆく不思議な「生命」の石竹色の夢。
 ――薄田泣菫「石竹」

◎介護予防アーティスト講座が開講

 昨日、NPO法人 Art Beat Heart が主催する介護予防アーティスト講座の初回が開催された。私はメイン講師として参加しているのだが、ほかにも音楽療法のベテラン教師や運動機能の専門家が参加するなど、充実した内容の講座となっている。
 残念ながら参加者は少なめだが、若い人ばかりでとても活発な雰囲気の講座になった。
 主催者によれば、ビデオ補講ができるので、2回目からの途中受講も可能だとのこと。なにより30歳未満の方は受講料免除なので、この機会に積極的に参加してほしい。また、こういうことに関心を持ってくれそうな若者の知り合いがいる方は、ぜひ知らせてあげてほしい。

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