2012年10月30日火曜日

10月30日


◎今日のテキスト

 人が非暴力であると主張する時、彼は自分を傷つけた人に対して腹を立てないはずだ。彼はその人が危害を受けることを望まない。彼はその人の幸福を願う。彼はその人を罵詈《ばり》しない。彼はその人の肉体を傷つけない。彼は悪を行なう者の加うるすべての害悪を耐え忍ぶであろう。かくして非暴力は完全に無害である。完全な非暴力は、すべての生物に対して全然悪意をもたぬことだ。だから、それは人間以下の生物をも愛撫し、有害な虫類や動物までも除外しない。それらの生物は、吾々の破壞的性癖を満足させるように作られているのではない。
 ――ガンジー「非暴力」(福永渙・訳)より

◎共感的コミュニケーションのベース

 音読療法ではボイスセラピストたちに「共感的コミュニケーション」というコミュニケーション・スキルを身につけてもらっている。これはアメリカのマーシャル・ローゼンバーグ氏が提唱したNVC(Nonviolent Communication=非暴力コミュニケーション)をベースにしている。
 人はもともと暴力的な言動を好む動物ではなく、社会的な動物であり、共感的であることに喜びを見いだす本能を遺伝子レベルで持っていて、そのおかげで非力な生命体にもかかわらず今日まで淘汰されずに生きのびてきたばかりか、繁栄しているということは、さまざまな角度から実証されている。
 人が暴力的になるのは、競争原理や報酬主義が属するコミュニティに持ちこまれたときではないだろうか。

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