◎今日のテキスト
町も、野も、いたるところ、緑の葉につつまれているころでありました。
おだやかな、月のいい晩のことであります。しずかな町のはずれにおばあさんは住んでいましたが、おばあさんは、ただひとり、窓の下にすわって、針しごとをしていました。
ランプの火が、あたりを平和に照らしていました。おばあさんは、もういい年でありましたから、目がかすんで、針のめどによく糸が通らないので、ランプの火に、いくたびも、すかしてながめたり、また、しわのよった指さきで、ほそい糸をよったりしていました。
――小川未明「月夜とめがね」より
◎横浜ホッチポッチ・ミュージックフェスティバル
昨日は横浜のミュージックフェスティバルに、現代朗読協会で参加してきた。
たくさんの音楽グループがあちこちの会場で同時進行的にライブをおこなうお祭りだが、天候にもめぐまれ、とても楽しくすごしてきた。
音楽の人たちが、楽譜を見たり、楽器をうまく弾こうとしているなか、私たち朗読グループはのびのびと、間違えてもそれが「いまここ」の事実として受け入れて次へとつなげていったり、お客さんとのコミュニケーションを楽しんだりと、自由にやらせてもらった。
今回はダンスのキムさんにも即興的に加わってもらって、さらに不確定要素(つまり自由度)が増したことが、みんなの「いまここのイキイキ」を増大させたように思う。
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