2012年10月19日金曜日

10月19日


◎今日のテキスト

僕は、まるで催眠術にかかりでもしたような状態で、廃墟の丘をのぼっていった。
 あたりはすっかり黄昏《たそが》れて広重《ひろしげ》の版画の紺青《こんじょう》にも似た空に、星が一つ出ていた。
 丘の上にのぼり切ると、僕はぶるぶると身ぶるいした。なんとまあよく焼け、よく崩れてしまったことだろう。巨大なる墓場だ。犬ころ一匹通っていない。向うには、焼けのこった防火壁が、今にもぶったおれそうなかっこうで立っている。こっちには大木が、黒焦げになった幹をくねらせて失心状態をつづけている。僕の立っている足もとには、崩れた瓦が海のように広がっていて、以前ここには何か大きな建物があったことを物語っている。
 ――海野十三『海底都市』より

◎深睡眠(三)

 スムースに深い眠りにはいっていくことについて、音読療法における「ボトムブレス」が役に立つ。 ボトムブレスは自律神経の副交感神経を亢進させるので、心身を鎮静させて入眠しやすい状態にもっていくことができる。 日中の活動で興奮した交感神経をしずめ、落ち着いた心身の状態を作ることで、すっと深い睡眠にはいっていける。

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