2012年10月23日火曜日

10月23日


◎今日のテキスト

 大阪は木のない都だといわれているが、しかし私の幼時の記憶は不思議に木と結びついている。
 それは生国魂《いくたま》神社の境内の、巳《み》さんが棲《す》んでいるといわれて怖くて近寄れなかった樟《くす》の老木であったり、北向八幡の境内の蓮池に落《はま》った時に濡れた着物を干した銀杏《いちょう》の木であったり、中寺町のお寺の境内の蝉の色を隠した松の老木であったり、源聖寺坂《げんしょうじざか》や口繩坂《くちなわざか》を緑の色で覆うていた木々であったり――私はけっして木のない都で育ったわけではなかった。大阪はすくなくとも私にとっては木のない都ではなかったのである。
 ――織田作之助「木の都」より

◎おかあさんのための音読カフェ

 音読療法協会では「音読カフェ」という、だれでも気楽に音読療法を体験できるイベントを不定期に開催しているが、明後日・木曜日には「おかあさんのための音読カフェ」をボイスセラピストが開催する。
 子育て中のおかあさんにはさまざまなストレスがかかっている。子どもが大切であることはいうまでもないが、子どもを大事に育てるためにはまずは自分自身を大切に扱うスキルが重要だろう、そのためには音読療法が有効だというコンセプトでおこなわれる。
 子どもも、自分を大切にしていないおかあさんに育てられるのは悲しいのではないだろうか。子どももまた、おかあさんのことを大切にしたいのだ。

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