2012年10月12日金曜日

10月12日


◎今日のテキスト

 自分にとっては、強く内から湧いて来る自己否定の要求は、自己肯定の傾向が隈《くま》なく自分を支配していた後に現われて来た。そうしてそれは自分を自己肯定の本道に導いてくれそうに思われる。
 自我の尊重、個人の解放、――これらの思想はただ思想として自分の内にはいって来たのではなかった。小供の時から自分の内に芽生えていた反抗の傾向――すべての権威に対する反抗の気風はこれらの思想によって強い支柱を得、その結果として自尊の本能が他の多くの本能を支配するようになった。外から与えられたように感ぜられる命令、――この事をしろとかあの事をしてはならぬとかいう命令はすべて力のないものに見え、ただ自分の意欲することのみが貴いと思った。
 ――和辻哲郎「自己の肯定と否定と」より

◎介護予防という考え方を身につける(一)

 私は現在55歳で、諸先輩方からは「若い」といわれるが、青年のころには55歳の自分のことなど想像もできなかった。
 55歳で亡くなっている人は、たとえばいわさきちひろがそうだ。タルコフスキー、天地茂、青江三奈は54歳、向田邦子、フィリップ・K・ディック、有吉佐和子、横山やすし、ジョン・デンバーは53歳、グレース・ケリー、南伸介、石原裕次郎、東八郎、美空ひばり、森瑶子、中島らもは52歳、マリア・カラス、ビル・エバンス、氷室冴子は51歳、スティーブ・マックイーン、グレン・グールド、梶原一騎、マイケル・ジャクソンは51歳。ついでに49歳で亡くなったのは夏目漱石や織田信長。
 あとどのくらい生きられるだろうか、ということより、あとどのくらい元気に活動できるだろうか、ということのほうが気になる。

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