2012年10月29日月曜日

10月29日


◎今日のテキスト

 驚くべきは現時の文明国における多数人の貧乏である。一昨昨年(一九一三年)公にされたアダムス氏の『社会革命の理』を見ると、近々のうちに社会には大革命が起こって、一九三〇年、すなわちことしから数えて十四年目の一九三〇年を待たずして、現時の社会組織は根本的に顛覆《てんぷく》してしまうということが述べてあるが、今日の日本にいてかかる言《げん》を聞く時は、われわれはいかにも不祥不吉《ふしょうふきつ》な言いぶんのように思う。しかし翻って欧米の社会を見ると、冷静なる学究の口からかかる過激な議論が出るのも、必ずしも無理ではないと思わるる事情がある。英米独仏その他の諸邦、国は著しく富めるも、民ははなはだしく貧し。げに驚くべきはこれら文明国における多数人の貧乏である。
 ――河上肇『貧乏物語』より

◎脳と身体、健康法、ダイエット法

 昨日、たまたま渋谷の書店に立ち寄って、棚をぶらぶらとながめてみた。
 健康法やダイエット法の本が目につく。
 ほかには過剰とも思える刺激的なフィクション群や、いかに自己実現するか・成功するかといったビジネス書、この世はどのような仕組みになっているかといった解説書、そして仕事のやりかたについてのハウツー本が、これでもかと自己主張をしてならんでいた。
 多くの本に共通しているのが、自分の身体を意識すること、身体と脳の働きをつなぐこと、いまここに意識を向けることであり、なにか時代の大きな流れのようなものを感じることができた。音読療法はそのなかでしっかりした土台を築いていっているように思う。

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