◎今日のテキスト
幾時代かがありまして
茶色い戦争ありました
幾時代かがありまして
冬は疾風吹きました
幾時代かがありまして
今夜此処《ここ》での一《ひ》と殷盛《さか》り
今夜此処での一と殷盛り
サーカス小屋は高い梁《はり》
そこに一つのブランコだ
見えるともないブランコだ
頭倒《さか》さに手を垂れて
汚れ木綿の屋蓋《やね》のもと
ゆあーん ゆよーん ゆやゆよん
——中原中也『山羊の歌』「サーカス」より
◎「場違い」と感じるとき
講座やワークショップでたまたま若い人が多く参加しているとき、ひとりだけ混じっている年配の方がとても恐縮されることがある。「自分のような年寄りがこんな場所に参加してしまっていいのだろうか」と。
そういう方のニーズはなんだろうかとかんがえる。場の雰囲気を壊さないこと、調和を大切にしておられるのだろうか。あるいは加齢による自分の能力や感受性の衰えを気にしておられるのだろうか。
年齢であれ、障碍を含む身体状況であれ、性別であれ、性格であれ、社会的立場であれ、その方の「個性」を構成する一要素であり、それぞれを大切にするけれど、そのことによって参加条件を加えるようなことはない、ということを、音読療法の場においては約束したい。
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