2012年9月18日火曜日
9月18日
◎今日のテキスト
わが愛する者よ請う急ぎはしれ
香わしき山々の上にありての
ごとく小鹿のごとくあれ
私は街に出て花を買うと、妻の墓を訪れようと思った。ポケットには仏壇からとり出した線香が一束あった。八月十五日は妻にとって初盆にあたるのだが、それまでこのふるさとの街が無事かどうかは疑わしかった。恰度、休電日ではあったが、朝から花をもって街を歩いている男は、私のほかに見あたらなかった。その花は何という名称なのか知らないが、黄色の小瓣の可憐な野趣を帯び、いかにも夏の花らしかった。
——原民喜「夏の花」より
◎呼吸法がつづかない(一)
音読療法の呼吸法はまちがいなく健康のためにいい、衰える呼吸筋を鍛えなおしたり、リフレッシュするのによいとわかっていながら、毎日のそれがつづかない、という訴えをよく聞く。
たしかに毎日、決まった時間に、一定の時間をさいて呼吸法をおこなうのは、ときにはおっくうに感じることがあるかもしれない。しかし、なぜおっくうなのだろうか。
まず、なんのために呼吸法をやるのか、自分のニーズにしっかりつながっている必要がある。自分の健康のため、心の安定のため、深い睡眠のため、自律神経をととのえるため。そしてそれらのニーズは、ひいては自分の生活の快適さや持続性や、家族との安心で心安いつながりを確保するためでもあったりする。
毎日、そのことが念頭に浮かべば、呼吸法をおっくうがらずに積極的にやろうという気分になるだろう。
それでもつづかない、という人は、次のことを試してほしい。
(つづく)
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