2012年9月23日日曜日

9月23日


◎今日のテキスト

 昼でも暗いような深い山奥で、音吉じいさんは暮しておりました。三年ばかり前に、おばあさんが亡くなったので、じいさんはたった一人ぼっちでした。じいさんには今年二十になる息子が、一人ありますけれども、遠く離れた町へ働きに出て居りますので、時々手紙の便りがあるくらいなもので、顔を見ることも出来ません。じいさんはほんとうに侘しいその日その日を送っておりました。
 こんな人里はなれた山の中ですから、通る人もなく、昼間でも時々ふくろうの声が聞えたりする程でした。取り分け淋しいのは、お日様がとっぷりと西のお山に沈んでしまって、真っ黒い風が木の葉を鳴かせる暗い夜です。じいさんがじっと囲炉裏《いろり》の横に坐っていると、遠くの峠のあたりから、ぞうっと肌が寒くなるような狼の声が聞えて来たりするのでした。
 ——北條民雄「すみれ」より

◎カツゼツの話(四)

 カツゼツをコントロールするには、舌と口のまわりと呼吸の筋肉を使うことがわかった。つまり、これらの筋肉のクオリティをあげる訓練をすれば、カツゼツのコントロールはやりやすくなるということだ。とくに舌の筋肉は重要だ。
 なにかを読んだりしゃべったりしているときに、自分の口まわりを観察してみればわかるが、意外に口を大きく動かさなくても言葉ははっきりと伝えることができる。しかしそのとき、口の内部で舌はしっかりと正確に動く必要がある。
 毎日だれもができる、舌の筋肉群を鍛える方法をやってみよう。

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