2012年9月25日火曜日

9月25日


◎今日のテキスト

 夕方だのに汽車は大へん混んでいた。大部分は軽井沢へ行く人たちらしい。私の前には「天国新聞」というのを束にしてかかえている牧師さんがひとり。向隣りの席には、洋裝をした十九ぐらいのお孃さんと、その連れらしいゴルフ服を着た中年の紳士の二人づれ。その紳士はそのお孃さんの叔父さんぐらいの年輩だが、さうじゃないらしい。ほんの知合といったような様子である。……それにしても高崎までの汽車の中の暑苦しいことと言ったら! 私は明日からどうしても書き出さなければならない小説の構想を汽車の中ですっかり組立ててしまうつもりだったけれど、それどころじゃないのである。私はしようがないので、自分の前の牧師さんが軽井沢でする講演の材料にでもするのか、「天国新聞」の束を一つづつめくりながら、その一齣《こま》を丁寧に折り畳んでは、その折目のところを舌でなめて、指先で切り抜いているのをぼんやり眺めていた。
 ——堀辰雄「エトランジェ」より

◎舌の筋肉を鍛える(二)

 舌を歯茎の外側にそってゆっくりなぞりながら回っていくのを「舌回し」と呼んでいる。始めるのは右回りでも左回りでもかまわないが、できるだけゆっくりと二回回してワンセット。これを日に三セット。
 最初のうちは舌がつりそうになるかもしれない。実際に舌の筋肉がつったという人もいる。つるほど無理にやってはかえって傷めてしまうので、最初は無理のないように回数や舌を伸ばす長さを加減しながらやるといい。慣れてきたら、徐々に力強く、回数も増やしていく。
 数週間もすればカツゼツのコントロールが楽になっていることに気づくはずだ。

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