◎今日のテキスト
ウェーゼル河の 南の岸の、
静かで気らくな ハメリン町に、
いつの頃やら ねずみがふえて、
そこでもチュウチュ ここでもチュウチュ、
ねずみのお宿《やど》は こちらでござる。
猫にゃかみつく 赤んぼはかじる、
犬とけんかも するあばれかた。
帽子にゃ巣をくう 着物はやぶる、
奥さん方の おしゃべりさえも、
きいきいごえで けされる始末《しまつ》。
——ロバアト・ブラウニング「魔法の笛」(楠山正雄・訳)より
◎カツゼツの話(一)
カツゼツは「滑舌」と書く。
なめらかな、というより、くっきりはっきりとエッジの立った、輪郭の明瞭な発音について、それを「滑舌がいい」という。
自分のカツゼツに問題をおぼえている人はかなり多くて、私のところにやってくる多くの人が、「最近なにかいっても聞き返されることが多くて」とか「なんとなくもごもごした感じでしゃべってしまうのが嫌なんです」という悩みを抱えていることがある。
カツゼツについてそれはどういうことなのか、どういう要件を満たせば「よい」ということになるのか、少しかんがえてみよう。
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