2012年9月28日金曜日

9月28日


◎今日のテキスト

 朝蚊帳《かや》の中で目が覚めた。なお半ば夢中であったがおいおいというて人を起した。次の間に寝て居る妹と、座敷に寐て居る虚子とは同時に返事をして起きて来た。虚子は看護のためにゆうべ泊ってくれたのである。雨戸を明ける。蚊帳をはずす。この際余は口の内に一種の不愉快を感ずると共に、喉《のど》が渇《かわ》いて全く潤《うるお》いのない事を感じたから、用意のために枕許の盆に載せてあった甲州葡萄《ぶどう》を十粒ほど食った。何ともいえぬ旨さであった。金茎《きんけい》の露一杯という心持がした。
 ——正岡子規「九月十四日の朝」より

◎息を吐ききる(一)

 音読療法の呼吸法では、まず息を吐ききる、ということをおこなう。
 グループワークでこれをやろうとすると、かならず何人か、息を吐ききるということがよくわからない、という人がいる。日常生活のなかで息を吐ききるという行為はなかなかない、というより皆無といっていいので、当然のことかもしれない。
 しかし、息を吐ききる行為は呼吸法にとって重要だし、いろいろな効果があることなので、ぜひとも息を吐ききることを意識して、しっかりと呼吸筋を使うようにしてみてほしい。

0 件のコメント:

コメントを投稿