――ほこりっぽい、だらだらな坂道がつきるへんに、すりへった木橋がある。木橋のむこうにかわきあがった白い道路がよこぎっていて、そのまたむこうに、赤煉瓦《あかれんが》の塀と鉄の門があった。鉄の門の内側は広大な熊本煙草《たばこ》専売局工場の構内がみえ、時計台のある中央の建物へつづく砂利道は、まだつよい夏のひざしにくるめいていて、左右には赤煉瓦の建物がいくつとなく胸を反《そ》らしている。――
いつものように三吉は、熊本城の石垣に沿うてながい坂道をおりてきて、鉄の通用門がみえだすあたりから足どりがかわった。
——徳永直「白い道」より
◎宿題ができなかった人にどう対するか(二)
宿題をやれなかったことの背後には、ニーズがありながら意に反して別の(目先の)ニーズが優先されてしまったという後悔があることが多い。やらなかったことを責めるのではなく、苦い後悔に共感し、本当のニーズをいっしょに探してみる。
たいてい、本来持っていたはずの学びのニーズなどの自分が大切にしていたことにもう一度気づくことになり、宿題をやることの大切さを確認し、積極的に宿題に取りくむための動機を持ちなおすことができる。
時間を費やしてそのプロセスを持つことで、宿題をやってもらうことだけでなく、学びのニーズを再確認してもらうことで、より講座に積極的に関わってもらえるようになることで、こちら側の貢献や効率性や理解やつながりのニーズを満たすことができる。
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