2012年9月17日月曜日

9月17日


◎今日のテキスト

 松戸与三はセメントあけをやっていた。外の部分は大して目立たなかったけれど、頭の毛と、鼻の下は、セメントで灰色に蔽《おお》われていた。彼は鼻の穴に指を突っ込んで、鉄筋コンクリートのように、鼻毛をしゃちこばらせている、コンクリートを除《と》りたかったのだが一分間に十才ずつ吐き出す、コンクリートミキサーに、間に合わせるためには、とても指を鼻の穴に持って行く間はなかった。
 ——葉山嘉樹「セメント樽の中の手紙」より

◎温度と湿度を感じる

 今年の秋は——というより、今年の秋も、というべきか——いつまでも暑い。九月ももう後半にさしかかり、秋のお彼岸にもなろうというのに、連日三十度を超える気温がつづいている。
 そんな東京の街を歩いていると、場所によってずいぶん気温が違っていることに気づく。私の体感では、渋谷駅が一番暑い。銀座や中野から用事で戻ってくると、渋谷は三度くらい暑苦しく感じる。湿度も高い。
 そして私が住んでいる下北沢に戻ると、やや涼しくなる。羽根木の家は緑に囲まれているせいか、さらにすっと涼しくなる。渋谷に比べると五度くらい違うような気がする。
 マインドフルをこころがけていると、自分のさまざまなセンサーがきちんと働いているのを実感できる

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