◎今日のテキスト
豊かな果樹園をつくるのは
貴い魂にふさわしい仕事だ。
それは孕める羊が産まぬ間《ま》に
草原から草原へさまよい歩く
遊牧の民のことではない。
泣き叫ぶ声ききながら日の落ちぬ間に
村から村を襲うて狂う
暴虐な軍隊のことではない。
また次の骰が投げられぬ間に
町から町をかけめぐる
苛立《いらだた》しい都会人のことでもない。
豊かな果樹園をつくるためには、
たましいの思慮と優《やさ》しさと
堪え忍びと安けさとが必要だ。
それは天国を地上へもちきたす
聖なる魂にさえふさわしい仕事だ。
——三木清「私の果樹園」より
◎息を吐ききる(二)
息を吐ききるときに心がけるのは、「細く長く」吐くということだ。
ヨガでは呼吸は吐くのも吸うのもすべて鼻からなのだが、音読療法では吐くときは口でおこなうことを勧めている。初心者にはそのほうが「細く長く」という意識を持ちやすい。
細く長く息を吐いていき、お腹がギュッと縮まるようにかたくなっていって、これ以上吐けないというところまできたら、最後に「フッ、フッ、フッ」と絞るように吐ききっていく。
しかし、これがなかなかうまくいかない人がいる。そこでひと工夫必要になる。
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