2012年8月31日金曜日

8月31日


◎今日のテキスト

 朝の空を彩る銀色のリボンと、同じように海上を飾る緑色のリボンとの中を、船は進んで、ハーウィッチの港に着いた。すると、人々は蝿の群でもあるかのように、ちりぢりに各々目ざす方へと散って行った。その中に、今我々が語ろうとする男は、別に特別に注意を惹くものではなかったし――というよりも、注意を惹かれまいとしているのだった。彼の身のまわりには、祭りの日のような陽気さの中に、顔に浮んだ役人じみたもっともらしさがあるだけで別に注意すべきものは何もなかった。彼の服装はと言えば、うすい灰白色の短衣に純白のチョッキをつけ、青鼠色のリボンのついた銀色に光る麦藁帽を冠っていた。その対照で、彼の面長の顔は黒味を帯びていたし、スペイン人のような、無雑作な黒い髯をつけているのが、エリザベス朝時代の頸飾を思わせた。
 ——チェスタートン「青玉《サファイア》の十字架」(直木三十五・訳)より

◎音読療法協会がめざすもの(三)

 音読療法には職業創出という側面もある。
 ボイスセラピストはだれかに雇われたり雇ったりする関係ではなく、自立し、自分の裁量でおこなっていく仕事だ。
その分、もちろん苦労する面も多いだろうが、自分の意思で自由に仕事をし、なおかつそれが社会貢献につながっているという、とてもやりがいのある仕事だと思う。
 音読療法協会ではすでに30名のボイスセラピストが生まれているが、専門的な職業として活動できる1級資格やマスター資格を取得した人はまだまだ少ない。
興味を持たれた方は、この活動のパイオニアとして加わってほしい。歓迎する。

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