◎今日のテキスト
病める枕辺《まくらべ》に巻紙状袋《じょうぶくろ》など入れたる箱あり、その上に寒暖計を置けり。その寒暖計に小き輪飾《わかざり》をくくりつけたるは病中いささか新年をことほぐの心ながら歯朶《しだ》の枝の左右にひろごりたるさまもいとめでたし。その下に橙《だいだい》を置き橙に並びてそれと同じ大きさほどの地球儀を据《す》えたり。この地球儀は二十世紀の年玉なりとて鼠骨《そこつ》の贈りくれたるなり。直径三寸の地球をつくづくと見てあればいささかながら日本の国も特別に赤くそめられてあり。台湾の下には新日本と記したり。朝鮮満洲吉林《きつりん》黒竜江《こくりゅうこう》などは紫色の内にあれど北京とも天津とも書きたる処なきは余りに心細き思いせらる。二十世紀末の地球儀はこの赤き色と紫色との如何《いか》に変りてあらんか、そは二十世紀初《はじめ》の地球儀の知る所に非《あら》ず。とにかくに状袋箱の上に並べられたる寒暖計と橙と地球儀と、これ我が病室の蓬莱《ほうらい》なり。
枕べの寒さ計《ばか》りに新年の年ほぎ縄を掛けてほぐかも
——正岡子規『墨汁一滴』より
◎マインドフルネスふたたび(一)
テレビ番組でやっていたそうだ。おなじ大脳が発達した霊長類でも、チンパンジーはヒトほどの想像力がないので「いまここ」のことしかかんがえず、したがってあれこれ想像したり記憶をよみがえらせたりして憂鬱におちいることもなく、トラウマもなく、一瞬一瞬にイキイキとしていられるのだ。それに比べてヒトは……という話。
たしかにそのとおりだ。だからといって、マインドフルネスがチンパンジーになることをめざすのかというと、それはちがう。
ほんとうにひどいことをするのは人間だけなのかも
返信削除でも動物のように反逆することを知らない存在や、子どものように抵抗する力のない存在をないがしろにする行為は許せない‥‥‥沸き上って来るような憤りや身を惹きちぎられるような悲しみも 人 だけが 最初から持っているとても強い部分のようにおもいます。生死をさまよい自分の判断や力ではどうにもならない状態から帰って来た時、身体の奥底から 光と自然に包まれていればどんな時も大丈夫だ。世界がこんなに美しいのには何かきっと訳がある。生きる確信はわたしの思いを超えてわたしの存在そのものの中につよく輝いている。人を愛するために生まれて来た。と感じました。でもそう想えるのは両親が戦いながら家族を愛してくれたから、子ども時代幸せだったからなのでしょうね、
てことで、きょうさにゅうとつきんしゃかくきんぐんないがいふくしゃきんないがいろっかんきんふくちょくきん を むきむきに 鍛えよう。
今日も紛争のニュースがたえません。
返信削除私も子ども時代は、田舎で幸せにすごすことができました。いまさらながらに両親に感謝ですが、そうではない人たちがたくさんいることに思いをはせながら、ほんの少しでも自分にできることをやっていこうと思う毎日です。