2012年8月5日日曜日

8月5日

◎今日のテキスト

 人が非暴力であると主張する時、彼は自分を傷けた人に對して腹を立てない筈だ。彼はその人が危害を受けることを望まない。彼はその人の幸福を願ふ。彼はその人を罵詈しない。彼はその人の肉體を傷けない。彼は惡を行ふ者の加ふるすべての害惡を耐忍ぶであらう。かくして非暴力は完全に無害である。完全な非暴力は、すべての生物に對して全然惡意を有たぬことだ。だから、それは人間以下の生物をも愛撫し、有害な蟲類や動物までも除外しない。それ等の生物は、吾々の破壞的性癖を滿足させるように作られてゐるのではない。若し吾々が造物主の心を知ることさへ出來たならば、吾々は造物主が彼等を創造した意義を發見するだらう。故に、非暴力はその積極的形式に於ては、すべての生物に對する善意である。それは純粹の愛である。私が印度經の諸聖典や、バイブルや、コーランの中に讀むところのそれだ。
 ——エム・ケー・ガンヂー「非暴力」(福永渙・訳)より

◎風土(五)

 気候、地形といった自然環境から人は影響を受けるが、それ以上にその土地に形成された地域的コミュニティは自然環境から受けた影響を増幅させやすい。つまり、風土から影響された地域個性をさらに極端に強調する方向に動く。とくに人口が流動しない土地——山間部の盆地や平地(岩手の遠野などもその一例)、極端に入り組んだ海岸の奥まった津、落人部落など——は風土から来る人々の性質に偏向が強調される。
 逆に流動的な土地は偏向が起こりにくい。

0 件のコメント:

コメントを投稿