2012年8月15日水曜日

8月15日


◎今日のテキスト

 ある省のある局に……しかし何局とはっきり言わないほうがいいだろう。おしなべて官房とか連隊とか事務局とか、一口にいえば、あらゆる役人階級ほど怒りっぽいものはないからである。今日では総じて自分一個が侮辱されても、なんぞやその社会全体が侮辱されでもしたように思いこむ癖がある。つい最近にも、どこの市だったかしかとは覚えていないが、さる警察署長から上申書が提出されて、その中には、国家の威令が危殆《きたい》に瀕していること、警察署長という神聖な肩書がむやみに濫用されていること等が明記されていたそうである。しかも、その証拠だといって、件《くだん》の上申書には一篇の小説めいたはなはだしく厖大な述作が添えてあり、その十頁ごとに警察署長が登場するばかりか、ところによっては、へべれけに泥酔した姿を現わしているとのことである。そんな次第で、いろんな面白からぬことを避けるためには、便宜上この問題の局を、ただ【ある局】というだけにとどめておくに如《し》くはないだろう。
 ——ニコライ・ゴーゴリ『外套』(平井肇・訳)より

◎運動しにくい夏は呼吸法を(二)

 音読療法ではいくつかの呼吸法をもちいるが、とくにストレッチ呼吸は呼吸筋を鍛えることに役立つ。
 ストレッチ呼吸については、この「音読日めくり」の2月17日から始まるいくつかの項をお読みいただきたい。
 呼吸は筋肉の収縮と弛緩によって作られる。よって、それを意図的におこなうことで、呼吸筋を鍛えることができる。筋肉を鍛える、つまり、運動の一種といえる。
 実際にストレッチ呼吸をおこなうと、血行がよくなり、筋肉が発熱して身体がぽかぽかしてくる。軽い運動をしたのと同様の効果が得られるのだ。

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