2012年8月30日木曜日

8月30日


◎今日のテキスト

 家の中二階は川に臨んで居た。そこにこれから発《た》とうとする一家族が船の準備の出来る間を集って待っていた。七月の暑い日影は岸の竹藪に偏《かたよ》って流るる碧《あお》い瀬にキラキラと照った。
 涼しい樹陰《こかげ》に五六艘の和船が集って碇泊しているさまが絵のように下に見えた。帆を舟一杯にひろげて干しているものもあれば、陸《おか》から一生懸命に荷物を積んでいるものもある。ここらで出来る瓦や木材や米や麦や――それらは総て此川を上下する便船《びんせん》で都に運び出されることになっていた。その向こうには、某町《なにがしまち》から某町に通ずる県道の舟橋がかかっていて、駄馬《だば》や荷車の通る処に、橋の板の鳴る音が静かな午前の空気に轟いて聞えた。
 ——田山花袋「朝」より

◎音読療法協会がめざすもの(二)

地域社会や職場でも音読療法を役立ててもらえるのではないかとかんがえている。
地域社会においては、介護を必要としない元気な老後を迎えるための「介護予防」をサポートできるはずだ。ようするに、元気に自立したまま老後をすごすための健康法として、音読療法が相当有効であろうと思われる根拠がある。
また職場においては、管理職も新入社員も問題になっている鬱病対策、ストレス対策、そしてコミュニケーション不全に対する強力なツールとなるはずだ。

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