2012年8月14日火曜日

8月14日


◎今日のテキスト

 東京の、赤坂への道に紀国坂という坂道がある――これは紀伊の国の坂という意である。何故それが紀伊の国の坂と呼ばれているのか、それは私の知らない事である。この坂の一方の側には昔からの深い極わめて広い濠《ほり》があって、それに添って高い緑の堤が高く立ち、その上が庭地になっている、――道の他の側には皇居の長い宏大な塀が長くつづいている。街灯、人力車の時代以前にあっては、その辺は夜暗くなると非常に寂しかった。ためにおそく通る徒歩者は、日没後に、ひとりでこの紀国坂を登るよりは、むしろ幾哩もり道をしたものである。
 これは皆、その辺をよく歩いた貉のためである。
 ——小泉八雲「狢」(戸川明三・訳)より

◎運動しにくい夏は呼吸法を(一)

 現代人は運動不足であり、なにか運動をしないといけない、という強迫観念にとらわれているような気がする。そういう私もそのひとりだが。
 ゆえにスポーツクラブが繁栄したり、ジョギングブームが起こったりするのだろう。
 私も運動は嫌いではないが、さすがに猛暑の季節には積極的に運動をする気になれない。そのせいかどうか、体重は落ちない。というより増える。
 運動しなければ、という強迫観念もあるが、筋肉量を落としたくない、という冷静な意識もある。それには音読療法の呼吸法が有効ではないかとかんがえる材料がある。

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