2012年7月9日月曜日

7月9日

◎今日のテキスト

 高瀬舟《たかせぶね》は京都の高瀬川《たかせがわ》を上下《じょうげ》する小舟である。徳川時代に京都の罪人が遠島《えんとう》を申し渡されると、本人の親類が牢屋敷《ろうやしき》へ呼び出されて、そこで暇乞《いとまご》いをすることを許された。それから罪人は高瀬舟に載せられて、大阪へ回されることであった。それを護送するのは、京都町奉行の配下にいる同心《どうしん》で、この同心は罪人の親類の中で、おも立った一人《にん》を大阪まで同船させることを許す慣例であった。これは上《かみ》へ通った事ではないが、いわゆる大目に見るのであった、黙許であった。
 ——森鴎外「高瀬舟」より

◎猫背の人

 背中が丸くなって、いわゆる「猫背」の人がいる。その人たちに「腰は傷めていませんか?」と聞くと、たいていは傷めていないという。
 腰を傷めるのは、猫背ではなく、むしろピンと背すじを伸ばして背中を張っている人に多いようだ。
 しかし、猫背がいいのかというと、そういうわけではなく、猫背は脊椎を傷めにくいかもしれないが、腹部を圧迫する姿勢を常にとっていることになる。つまり、肺と横隔膜より下の部分をいつも圧迫していることで、呼吸が浅く、それによって容易に予想できるのは、自律神経の失調を招きやすいのではないか、ということだ。

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