2012年7月14日土曜日

7月14日

◎今日のテキスト

 あかんぼを寢かしつける
 子守唄
 やわらかく細くかなしく
 それを歌っている自分も
 ほんとに何時《いつ》かあかんぼとなり
 ランプも火鉢も
 急須も茶碗も
 ぼんぼん時計も睡くなる
 ——山村暮鳥『風は草木にささやいた』より「夜の歌」

◎天ぷらでマインドフル

 私は料理が好きで本を書いたことがあるほどだが、このところしばらく、さぼっていた。
 今日はひさしぶりに天ぷらを作ってみた。
 材料はズッキーニ。変わった食材だとチャレンジ精神が発露される。
 とはいえ、天ぷらの原理はおなじで、高温の油に接した材料の表面部分とそれを覆っている衣から水分が飛び、外側はカリッと、内側は火が通っているものの素材本来のジューシーな状態が保たれている、という状態で仕上がるのが理想だ。
 揚げ物をすると、熱した油に最初に材料を投入し、盛大にバチバチと油が踊る状態が、しだいに落ち着いていってこんがりとなり、最後は音と香りが変わってフィニッシュとなる、その過程が楽しい。
 一瞬たりとも気を抜けない、ある意味、マインドフルネスを保った状態での調理といえる。そこにはなんの憂いもない。

1 件のコメント:

  1. 夏の夜の子守り歌ーー団扇をあおぐ手がだんだんゆっくりなっていつも私の方が先に寝てしまいましたーー母もよくバスの中で居眠りしてました。次降りなくてもいいのか心配でどきどきした記憶があります。忙しかったのね。

    ズッキーニの天ぷらーーすごい!!! 断面に水気の多い野菜が中じゅわ外かりに揚がるのはもう神様の域★★★★★

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