◎今日のテキスト
こどもが
せっせっ せっせっ とあるく
すこしきたならしくあるく
そのくせ
ときどきちらっとうつくしくなる
——八木重吉『貧しき信徒』より「美しくあるく」
◎全身で聴く
たとえば音楽を聴くとき、私たちはなにを聴いているのだろうか。
奇妙な質問だと思うかもしれない。私がいいたいのは、こういうことだ。私たちが音楽を聴くとき、ひょっとしてその一部しか聴いていないのではないか。たとえばそのメロディを聴いている。歌詞を聴いている。和声の進行を聴いている。リズムを聴いている。
曲に合わせて歌ったり踊ったりしている人をよく見ると、もはや音楽を聴いてすらいないのではないか、と思うことがある。
全身でそのまま受け入れて聴いてみることはできないだろうか。なんの解釈もしないで、身体全体がどのように反応するのか。
音楽に限らず、あらゆる音をそのように受け入れて聴いてみることはできないだろうか。
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