2012年7月15日日曜日

7月15日

◎今日のテキスト

 どこかの公園のベンチである。
 眼の前には一条の噴水が、夕暮の青空高く高くあがっては落ち、あがっては落ちしている。
 その噴水の音を聞きながら、私は二三枚の夕刊を拡げ散らしている。そうして、どの新聞を見ても、私が探している記事が見当らないことがわかると、私はニッタリと冷笑しながら、ゴシャゴシャに重ねて押し丸めた。
 私が探している記事というのは今から一箇月ばかり前、郊外の或る空家の中で、私に絞め殺された可哀相な下町娘の死体に関する報道であった。
 ——夢野久作「縊死体」より

◎徳島で現代朗読

 今日はこれから四国の徳島に飛んで、午後、現代朗読のワークショップをおこなう。
 現代朗読協会の仲間に徳島在住のたるとさんがいて、もう何年もの付き合いになる。ところが、実は彼女とは実際に一度も会ったことがないのだ。スカイプとかグーグルプラスのハングアウトといったものを利用して、ネットでいつも交流していた。
 それが今回、ようやくリアルに会えることになった。たるとさんが徳島の仲間を集めてくれて、私と現代朗読協会の東京の仲間が数人、現地にうかがって、いっしょにワークショップを開催することが実現したのだ。
 こんなにうれしいことはない。

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