2012年3月24日土曜日

3月24日

◎今日のテキスト

 男もすなる日記といふものを、女もしてみむとてするなり。それの年(承平四年)のしわすの二十日あまり一日の、戌の時に門出す。そのよしいささかものにかきつく。ある人縣の四年五年はてて例のことども皆しおへて、解由など取りて住むたちより出でて船に乘るべき所へわたる。かれこれ知る知らぬおくりす。年ごろよく具しつる人々(共イ)なむわかれ難く思ひてその日頻にとかくしつつののしるうちに夜更けぬ。
 ——紀貫之「土佐日記」より

◎古典を読む

 学校教育のせいで、多くの人が古典作品に対して「むずかしい」「面倒だ」「意味がわからない」といった評価を自分のなかに作ってしまっていて、あらためて読んでみようという気が起こらなくなっている。
 一度その評価を捨てて、なんらかの解釈や判断をすることなく、ただ純粋に音読してみることをおすすめする。そのとき、どのような音が自分の口から出てくるのか。どのようなイメージが湧いてくるのか。
 最初はもちろん読みにくいかもしれないが、何度も繰り返し読んでいくうちに、きっと思いがけない発見があるはずだ。なにも考えずに、ただ声に出して読んでみる。

2 件のコメント:

  1. 古典だと思うだけで口元&喉元が緊張してきそうでした(笑)異国語を音にする感じで音読してみま~す。

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  2. 古い日本語の響き、おもしろいと思いますよ。
    楽しんでみてください。

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