2012年5月7日月曜日

5月7日

◎今日のテキスト

 茶は薬用として始まり後飲料となる。シナにおいては八世紀に高雅な遊びの一つとして詩歌の域に達した。十五世紀に至り日本はこれを高めて一種の審美的宗教、すなわち茶道にまで進めた。茶道は日常生活の俗事の中に存する美しきものを崇拝することに基づく一種の儀式であって、純粋と調和、相互愛の神秘、社会秩序のローマン主義を諄々《じゅんじゅん》と教えるものである。茶道の要義は「不完全なもの」を崇拝するにある。いわゆる人生というこの不可解なもののうちに、何か可能なものを成就しようとするやさしい企てであるから。
 ——岡倉天心『茶の本』(訳・村岡博)より

◎ゾーンの練習

 自分がおこなっていることに完全に集中していながら、自分のまわりで起こっていることにも気がついている状態を「ゾーン」というが、これはなにも特別な人間だけが経験できることなのではない。どんな人でも訓練次第でゾーンにはいることができる。
 ゾーンにはいるためには、自分の感覚が「開いている」必要がある。周りで起こっていることを遮断するのではなく、あらゆる情報を受け入れながらなにごとかをする練習をする。音読の場合は、読みながら歩いたり、音楽を聴いたり、人の存在を感じたりと、「ながら」練習をする。
「ながら」はとかく悪いこととして教育されることが多いが、そうでもない。実はとても有用なことが多い。「ながら」が悪いという思いこみをまず捨てて練習してみる。

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