2012年5月19日土曜日

5月19日

◎今日のテキスト

 自分が芝居の実際方面に関係してから、まだ半年もたたないのだが、その間に、色々の経験もなめた。理窟だけを並べていた時代には、そんなでもあるまいと思っていた劇壇の内情を見聞きするにつけて、私は、自分ながら、飛んでもない処へはまりこんだなという気がし出した。「血があれる」という言葉が本当によく当っているような、そういう雰囲気を感じ出した。こういう世界で、本当に自分の仕事をして行く人、何かしら「とらわれない仕事」をして行く人があれば、その人は、全くえらいと思い出した。
 私は自分の熱情と、素質に疑いを持ち出した。
 ——岸田国士「幕が下りて」より

◎「嫌だ」という感情をきちんと扱う(二)

 たとえば自分が尊重されていないと感じて嫌だと感じたり、自由を損害されると思って嫌だと感じたり、いろいろ理由はあるだろう。とにかくその原因にきちんと目を向け、嫌だという感情の根っこ(ニーズ)を理解する。ニーズがわかれば、そのニーズをどうやって満たすことができるか考えることもできる。
 ニーズはさまざまな方法で満たすことができる。自分がこれこれこういう理由で嫌な気持ちを持っていることを相手に伝えることもできるし、別の人に話を聞いてもらうことで落ち着くこともできる。尊重されたいニーズがあったのなら、別の方法や別の機会にそれを満たすこともできる。

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