2012年5月25日金曜日

5月25日

◎今日のテキスト

 アレクセイ・カラマーゾフは、本郡の地主フョードル・パーヴロヴィッチ・カラマーゾフの三番目の息子である。このフョードルは今から十三年前に奇怪な悲劇的な死を遂《と》げたため、一時(いや、今でもやはり町でときどき噂《うわさ》が出る)なかなか有名な男であった。しかし、この事件は順序を追って後で話すこととして、今は単にこの『地主』が(この地方では彼のことをこう呼んでいた。そのくせ、一生涯はほとんど自分の領地で暮らしたことはないのだが)、かなりちょいちょい見受けることもあるけれど、ずいぶん風変わりなタイプの人間である、というだけにとどめておこう。
 ——ドストエフスキイ『カラマーゾフの兄弟』(米川正夫・訳)より

◎リズム感の話(二)

 音楽の世界で「リズム感がよい」というと、正確なビートを刻みつづけられる能力が高い、と受け取られることが多い。実際、ロックやモダンジャズなどでビートが遅れたり走ったりすると、「リズムが悪い」「リズムが狂った」と指摘される。なので、正確なビートの音楽ばかり聴いている若者世代は、年配世代の者よりリズム感がいいと思いこんでいた。
 実際にはまったく違うことをワークショップなどで思い知る機会がしばしばあり、リズム感がよくなるというのは一定のビートの音楽ばかり聴くことではないのだということを、最近確信した。

0 件のコメント:

コメントを投稿