2012年6月30日土曜日

6月30日

◎今日のテキスト

 汪士秀《おうししゅう》は盧州《ろしゅう》の人であった。豪傑で力が強く、石舂《いしうす》を持ちあげることができた。親子で蹴鞠《しゅうきく》がうまかったが、父親は四十あまりの時銭塘江《せんとうこう》を渡っていて、舟が沈んで溺れてしまった。
 それから八、九年してのことであった。汪は事情があって湖南へいって、夜、洞庭湖《どうていこ》に舟がかりした。その時はちょうど満月の夜で月が東の方にのぼって、澄んで静かな湖の面は練ったようになっていた。汪は美しい月の湖上をうっとりと眺めていると、不意に五人の怪しい者が水の中から出て来て、持っていた大きな敷物を水の上に敷いたが、その広さは半畝《はんぽ》ばかりもあるものであった。
 ——蒲松齢《ほしょうれい》「汪士秀《おうししゅう》」(田中貢太郎・訳)より

◎音読療法を身につけようという人たち

 音読療法協会がおこなっているボイスセラピスト講座には、さまざまな立場の人たちがやってくる。
 すでに仕事をお持ちの方は、その仕事に役立てようとしてやってくる人が多い。お医者さん、ダンスの先生、造形アーティスト、歌手や朗読家、アナウンサーなど声の仕事の人、ヨガインストラクター、介護関係の仕事の方などなど。
 会社員や主婦の方も多い。そういう人は、いまのお勤めをやめることを前提にしていたり、主婦ではあるけれど自分なりのスキルを身につけて社会貢献したい、経済的にもある程度の自立をはたしたい、というニーズがあったりする。

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