2012年6月25日月曜日

6月25日

◎今日のテキスト

 よく田舎にある、野っ原の真ん中に、灌木だの歯朶だのに、穴の縁を茂らせて、底には石や土が、埋めかけて匙を投げてある、あの古井戸の底になら、埃が溜ったって、別に面白くも可笑しくもない。
 ところが、私の今いおうとしている井戸は、一方には夫婦と三人の子供、もう一方には夫婦と二人の子供が、現在住んでいる、その共通の井戸の事なのである。
 その共同の井戸に、しかも蓋がしてあるのに、埃が底に溜ってしまったのである。
 空気だの、日光だの、水などというものは、そいつがふんだんにある場合には、いささかも不自由を感じないし、従って有難味も分らないものだが、一旦、無いとなると、さあ事だ。
 ——葉山嘉樹「井戸の底に埃の溜った話」より

◎介護予防という考え方(一)

 現代朗読協会の仲間の日榮さんが代表をつとめる「アート・ビート・ハート」というNPOは、介護予防のためのアーティストを育成する事業をおこなっている。
 私は老人ホームに行く機会が多く、特別養護老人ホームでの重度の認知症や寝たきりの方々を見たり、デイサービスに通ってこられる要介護のお年寄りを見ることが多い。
 介護予防というのは、お年寄りがそうならないようにするための健康維持法をおこなうサービスのことだ。
 音読療法はこれにうってつけの方法ではないだろうか。

2 件のコメント:

  1. NPO法人 アート ビート ハート です(笑)
    http://www.npo-art-beat-heart.com/

    返信削除
  2. 失礼しました。
    訂正しますね。

    返信削除