2012年6月29日金曜日

6月29日

◎今日のテキスト

 むかしむかし、町といなかに、大きなやしきをかまえて、金の盆《ぼん》と銀のお皿《さら》をもって、きれいなお飾《かざ》りとぬいはくのある、いす、つくえと、それに、総金《そうきん》ぬりの馬車までももっている男がありました。こんなしあわせな身分でしたけれど、ただひとつ、運のわるいことは、おそろしい青ひげをはやしていることで、それはどこのおくさんでも、むすめさんでも、この男の顔を見て、あっといって、逃げ出さないものはありませんでした。
 ——シャルル・ペロー「青ひげ」(楠山正雄・訳)より

◎音読の効用(二)

 音読には次のみっつのねらいがある。

一 他人が書いた文章を読みあげることで自分の思考を追いやり、マインドフルネスにいたる。
二 セラピストと声を合わせて読むことで、セラピストの落ち着いた呼吸や身体の状態を自然に映しとって、心身の落ち着きをえる。
三 自分の声を使って表現することで、いきいきした心身の喜びを感じる。

 とくに二と三については大変有効であり、実際にやってみるとクライアントがどんどん笑顔になっていくのを目撃できる。
 一については、充分にマインドフルネスの準備ができていない者がやると、文章自体の言葉やイメージにとらわれ、逆効果になることがあるので要注意。
 その場合は、もう一度呼吸法から繰り返して、心身の準備をきちんとする必要がある。

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