2012年6月24日日曜日

6月24日

◎今日のテキスト

 夕方、五時頃うかがいますという電話であったので、きんは、一年ぶりにねえ、まァ、そんなものですかといった心持ちで、電話を離れて時計を見ると、まだ五時には二時間ばかり間がある。まずその間に、何よりも風呂へ行っておかなければならないと、女中に早目な、夕食の用意をさせておいて、きんは急いで風呂へ行った。別れたあの時よりも若やいでいなければならない。けっして自分の老いを感じさせては敗北だと、きんはゆっくりと湯にはいり、帰つて来るなり、冷蔵庫の氷を出して、こまかくくだいたのを、二重になったガーゼに包んで、鏡の前で十分ばかりもまんべんなく氷で顔をマッサアジした。皮膚の感覚がなくなるほど、顔が赤くしびれて来た。
 ——林芙美子「晩菊」より

◎自分が参加する組織に貢献すること

 ある組織に参加しているとき、ほかの人が運営などにたくさん貢献しているのを見て、自分はなにも貢献できていないと引け目に感じることがある。後ろめたい気分になる。
 しかし、そんな必要はない。
 貢献したい人は、自分がやりたくて貢献しているわけだし、貢献したいのにできない自分はそれなりの事情があるのだ。いずれタイミングが来れば喜んで貢献できる時が来る。
 そういった人とのつながりを切ってしまうのは、貢献できていない人を「あんたなにもしてないくせに」と責める言葉だ。その言葉をいう前に、その人のニーズを共感的な言葉で聞いてみるといい。大事なつながりを切らなくてすむだろう。

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