2012年6月15日金曜日

6月15日

◎今日のテキスト

 国府台から中山を過ぎて船橋の方へと松林に蔽われた一脈の丘陵が延長している。丘陵に沿うてはひろびろした平野があるいは高くあるいは低く、ゆるやかに起伏して、単調な眺望にところどころ画興を催すに足るべき変化を示している。
 市川に移り住んでから、わたくしはほとんど毎日のようにところを定めずそのあたりの田舎道を歩み、人家に遠い松林の中または窪地の草むらに身を没して、青空と雲とを仰ぎ、小鳥と風のささやきを聞き、初夏の永い日にさえその暮れかけるのを惜しむようなこともあった。
 ——永井荷風「畦道」より

◎あらゆる年代の人に音読を

 音読はさまざまな年齢の人に効果がある。
 普段からしゃべってるじゃない、特別に音読なんていわなくても、という人もいるかもしれないが、意識して呼吸をしたり、声を出したり、そのことで自分の身体のことに気づいたり、ということは案外やらないものだ。
 音読療法士(ボイスセラピスト)はいろいろな場所に出かけていく。老人ホーム、東北の被災地、職場のグループ、そしてもちろん個人相手にも。
 今日はこれから都内の小学校に行って、二年生のクラスで音読エチュードの授業をしてくる。子どもたちだけがそうではないが、音読エチュードをやるにつれみんなの顔がどんどんイキイキと元気になっていくのを見るのが、私たちのやりがいでもある。

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