2012年6月12日火曜日

6月12日

◎今日のテキスト

 六、七、八、九の月は、農家は草と合戦《かっせん》である。自然主義の天は一切のものを生じ、一切の強いものを育てる。うっちゃって置けば、比較的脆弱《ぜいじやく》な五穀蔬菜は、野草《やそう》に杜《ふさ》がれてしまう。二宮尊徳の所謂「天道すべての物を生ず、裁制補導《さいせいほだう》は人間の道」で、ここに人間と草の戦闘が開かるるのである。
 老人、子供、大抵の病人はもとより、手のあるものは火斗《じゅうのう》でも使いたい程、畑の草田の草は猛烈に攻め寄する。飯焚《めした》く時間を惜んで餅を食ひ、茶もおちおちは飲むで居られぬ程、自然は休戦の息つく間も与えて呉れぬ。
 「草に攻められます」とよく農家の人達は云う。人間が草を退治せねばならぬ程、草が人間を攻めるのである。
 ——徳富蘆花「草とり」より

◎息を止めてみる(三)

 血中酸素濃度をあげたあとは、だれでも数十秒呼吸を止めることができるだろう。
 静かに座って、息を止め、身体のなかを観察する。
 私の場合は、窓から差しこむ陽の光のなかを、ほこりがゆっくりと舞っているのが見え、それが静かに降りていくようなイメージを感じる。そのイメージは人それぞれだろうと思う。
 とにかく、自分の身体が鎮静化していくようすを観察してみる。
 最後に、苦しくなる前に自然呼吸にもどし、またゆっくりと普通に息をする。

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