◎今日のテキスト
回れば大門の見返り柳いと長けれど、お歯ぐろ溝に燈火《ともしび》うつる三階の騷ぎも手に取る如く、明けくれなしの車の行来《ゆきき》にはかり知られぬ全盛をうらないて、大音寺前《だいおんじまえ》と名は仏くさけれど、さりとは陽気の町と住みたる人の申き、三嶋神社《みしまさま》の角をまがりてよりこれぞと見ゆる大厦《いへ》もなく、かたぶく軒端の十軒長屋二十軒長や、商いはかつふつ利かぬ処とて半さしたる雨戸の外に、あやしき形《なり》に紙を切りなして、胡粉ぬりくり彩色のある田楽《でんがく》みるやう、
——樋口一葉『たけくらべ』より
◎介護予防という考え方(二)
自分のことを振り返ってみてもそう思うが、年老いて介護が必要になったり寝たきりになるのはうれしくない。
もちろん人は元気にしていても必ずだれかのお世話にならずには生きていけない社会的動物であるわけで、げんにいまも寝たきりになっていたり、車椅子の生活をしている方々のことを否定するわけではない。が、できればいまの状態をなるべく維持して、元気に年老いていきたいと思うのだ。
そのためにももっと社会全体で介護予防という考え方と、具体的な運動が普及するのが望ましい。音読療法はそのもっとも手軽で、もっとも効果的な方法のひとつであることはまちがいない。
0 件のコメント:
コメントを投稿