2012年12月5日水曜日

12月5日


◎今日のテキスト

 エスパーニャに来て闘牛を見ないで帰るのは心残りのような気がしていた。しかし見るまでは、生き物を殺すのを見て楽しむということがひどく残酷に考えられ、それに対する反感もあって、見なくともよいというような心持もあった。その反感は、私よりも弥生子の方が強く、彼女は闘牛を見たいという好奇心は全然持ってないようだった。私の方はそうではなく、見たくもあるがいやな気がしはしないかという不安で躊躇していた。
 ところが、偶然は私たちにそれを見させる機会を与えた。或る朝、私はサン・セバスティアンのヴィラ「ラ・クンブレ」の日陰の涼しいヴェランダで、デッキ・チェアに足を踏み伸ばして、読めもしない西班牙語の新聞の見出しを拾っていた。
  ――野上豊一郎「闘牛」より

◎夜更かしもストレスの一種(二)

 人間も生き物である以上、自然の法則にしたがった一定の生体リズムを持っている。朝が来れば目がさめ、夜が来ると眠くなる。これらがなんらかの理由で乱れると、さまざまな不都合が起こる。
 現代人は自然な生体リズムにさからって生きていることが多い。朝は寝坊し、夜は夜更かしする。それが自律神経に不調をもたらすことはよく知られているが、原因は生理的なストレスによるものだ。
 昨日書いたように、生体リズムが狂うことも人の身体にとってはストレスとなる。それは人体に防衛反応をもたらし、すなわち交感神経が不必要に昂進する。休息・回復の神経である副交感神経の働きが阻害される。
 先人が早寝早起き、規則正しい生活をすべし、といいつづけてきたのにはそれなりの理由があるということだ。

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