◎今日のテキスト
オツベルときたら大したもんだ。稲扱《いねこき》器械の六台も据《す》えつけて、のんのんのんのんのんのんと、大そろしない音をたててやっている。
十六人の百姓《ひゃくしょう》どもが、顔をまるっきりまっ赤にして足で踏《ふ》んで器械をまわし、小山のように積まれた稲を片っぱしから扱《こ》いて行く。藁《わら》はどんどんうしろの方へ投げられて、また新らしい山になる。そこらは、籾《もみ》や藁から発《た》ったこまかな塵《ちり》で、変にぼうっと黄いろになり、まるで沙漠《さばく》のけむりのようだ。
そのうすくらい仕事場を、オツベルは、大きな琥珀《こはく》のパイプをくわえ、吹殻《ふきがら》を藁に落さないよう、眼《め》を細くして気をつけながら、両手を背中に組みあわせて、ぶらぶら往《い》ったり来たりする。
――宮沢賢治「オツベルと象」より
◎体調不良の季節
風邪やウイルス性の胃腸炎などが大はやりだ。ボイスセラピストの仲間にも子どもを持つお母さんがいるが、しきりに忙しい忙しいというので、やっぱり年末だから忙しいのかと思ったら、子どもが病気をいるのでいろいろと予定が狂って忙しいのだという。なるほど。
とくに子どもは集団ですごしているので、いくら元気だといっても病気をうつされやすい。せめてお母さんは調子を整えて年末年始を乗りこえたいものだ。毎日しっかりと呼吸法と音読をやって体調を整え、免疫力を低下させないようにしよう。
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