2012年12月27日木曜日

12月27日


◎今日のテキスト

 百舌鳥や
 きいり きり
 鉄砲ぶちにきをつけろ

 あつちみろ
 こつちみろ
 もずや
 きいり きり
 枯草山《かれくさやま》に火をつけろ

 ――山村暮鳥「百舌鳥」より

◎全身を耳にして聴く(一)

 音読/朗読が上達するにはどうしたらいいか、という質問はしょっちゅう受けるのだが、その一番の近道として私が推奨するのは「耳をよくする」ということだ。
 耳をよくするといっても、物理的に小さな音が聴こえるようになるとか、聴こえなかった高音や低温まで聴こえるようになる、ということではない。
 私たち現代人は普段の生活において、無意識に聴覚の感度を落としている。そうしなければ必要な情報の取捨選択がうまくいかないからだ。テレビを観たり本を読んだりしているときに、いちいち外を通る車の音や鳥の鳴き声に気を取られてはいられないので、いわば聴覚のスイッチを切ったり、「低」に感度を落としたりしている。このスイッチのオン/オフや高感度にするスキルを身につけておくと、音声表現は非常にレベルアップしていく。

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