2012年4月6日金曜日

4月6日

◎今日のテキスト

 博物教室から職員室へ引揚げて来る時、途中の廊下で背後《うしろ》から「先生」と呼びとめられた。
 振返ると、生徒の一人――顏は確かに知っているが、名前が咄嗟には浮かんで来ない――が私の前に來て、何かよく聞きとれないことを言いながら、五寸角位の・蓋の無い・菓子箱様《やう》のものを差出した。箱の中には綿が敷かれ、その上に青黒い蜥蜴のような妙な形のものが載《の》っている。
 ——中島敦「かめれおん日記」

◎慢性的びっくり反射

 ヒトをふくめ動物は、なにか突発的な危険や予期せぬことに出くわすと、反射的にビクっと首をすくめる。首をすくめるだけでなく、全身の筋肉を硬直させ、呼吸を止める。
 これは防衛反応の一種で、避けることはできない。動物の種類によっては仮死状態になるものすらある。それだけ自分の身を守ろうとする反射は強烈なものだ。
 大脳皮質が発達したヒトはこのびっくり反射が想像や記憶によってゆるやかに持続的に起こってしまうことがある。それがストレスによるびっくり反射だ。ほとんどの現代人はそうだが、ストレスを受けつづけることでゆるやかなびっくり反射が持続している。すなわち首をすくめ(肩がこり)、全身の筋肉が硬直し(緊張が取れない)、呼吸が浅くなったりしばしば止まってしまったりする結果、酸素欠乏におちいり、いろいろな症状やフアンを引き起こすことになる。

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