2012年4月1日日曜日

4月1日

◎今日のテキスト

「戦争が終ったら、こんどはまた急に何々主義だの、何々主義だの、あさましく騒ぎまわって、演説なんかしているけれども、私は何一つ信用できない気持です。主義も、思想も、へったくれも要《い》らない。男は嘘《うそ》をつく事をやめて、女は慾を捨てたら、それでもう日本の新しい建設が出来ると思う。」
 ——太宰治「嘘」より

◎人は自分に嘘をつく動物

 自分がとてもつらいと思っていても、「いやまだがんばれる」と言い聞かせて無理をした結果、心身を壊してしまったり、楽しいことなのに「こんなに楽しい思いをするなんて後ろめたい」と思って尻込みしたり、という経験は多くの人にあることだろう。
 人は自分の正直な感情や身体からの信号を無視したり、それを続けた結果気づかなくなってしまったりすることがある。そうやって自分や他人をだましつづけた結果、なにが本当でなにが嘘なのかわからなくなってしまう人がいる。
 自分にとって都合のいいことしか見聞きしなかったことにしたり、覚えていなかったり、といったことは、一種のこころの防衛反応なのだが、発達した大脳のこざかしい働きなので、後でしっぺ返しを負うことが多い。マインドフルに「いまここ」の自分の正直なニーズを確認していくことで、健全な心身をたもっていくことができる。

2 件のコメント:

  1. ある時期、自分が信頼している人に会いたくない時がありました。
    自分自身が、嘘をついていることに気付いてなくても、その人と話す時に声が上ずり、内面を掘り下げる会話をしたくなくなり、話ができなくなります。
    この状態を人に見透かされることを避けたいから、
    無意識に、信頼している人に会わないようにしていたのかもしれません。
    こわいこわい・・。

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  2. なぜその人に会いたくなくなったのか、なぜ深い会話をしたくなくなったのか、まずは自分のなかをしっかり見ることが必要ですね。
    無意識に嘘をついてしまっているとしたら、そのニーズはなんなのか、ちゃんとわかれば、そこからどうすればいいのかが見えてくると思います。

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