◎今日のテキスト
奈良や吉野とめぐってもどって見ると、わずか五六日の内に京は目切《めっきり》と淋しくなっていた。奈良は晴天が持続した。それでこの地方に特有な白く乾燥した土と、一帯に平地を飾る菜の花とが、蒼い天を戴いた地勢と相俟って見るから朗かでかつ快かった。京も菜の花で郊外が彩色されている。しかし周囲の緑が近いためか陰鬱の気が身に返って感ぜられるのである。
——長塚節「菜の花」より
◎だれかから嫌なことをいわれたとき(前)
故意であれうっかりであれ、だれかがあなたを傷つけたり、嫌な気分にさせるようなことをいうことがある。そんなときにはどうしたらいいか。
まずは自分の気持ちを見てあげること。ああ、いまこんなことをいわれて、自分は嫌な気分になったんだな、悲しいんだな、ムカついてるんだな、といった自分の感情にきちんとフォーカスしてあげること。そのことによって自分の身体が萎縮したり、こわばったり、呼吸が止まったり早くなったりしていることをきちんと見て認める。
それができたら、次は「いまここ」のマインドフルネスの意識を持つために、ゆっくりと深い呼吸をして自分の身体に意識を向け、頭のてっぺんから足の裏まで身体があることを確認する。これをグラウンディングとも呼ぶ。
そして自分に共感を向けていく。
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