2013年1月9日水曜日

1月9日


◎今日のテキスト

 理学士帆村荘六《ほむらそうろく》は、築地《つきじ》の夜を散歩するのがことに好きだった。
 その夜も、彼はただ一人で、冷い秋雨《あきさめ》にそぼ濡れながら、明石町《あかしちょう》の河岸《かし》から新富町《しんとみちょう》の濠端《ほりばた》へ向けてブラブラ歩いていた。暗い雨空《あまぞら》を見あげると、天国の塔のように高いサンタマリア病院の白堊《はくあ》ビルがクッキリと暗闇に聳《そび》えたっているのが見えた。このあたりには今も明治時代の異国情調が漂っていて、ときによると彼自身が古い錦絵《にしきえ》の人物であるような錯覚《さっかく》さえ起るのであった。
 ――海野十三「人造人間事件」より

◎首をすくめる、肩をすくめる(二)

 首をすくめるのに使う筋肉は、表層の頭板状筋と深層の頚板状筋だ。ここがリラックスできずに乳酸がたまると「首がこった」という状態になるが、一般に「肩がこる」という状態はこの「首がこる」状態のことをさしていることが多くある。
 一方肩をすくめる筋肉は僧帽筋や斜角筋群などだが、こちらは意識的に緊張させたり弛緩させたりしやすい。
 寒いときについ肩をすくめてしまうとき、自分がどの筋肉を収縮させているのか観察してみるといい。肩はすくめるのだが首の筋肉はゆるめておく、などということもできるはずだ。そのようにコントロールできれば、身体全体の動きやすさは確保しておける。

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