2013年1月5日土曜日
1月5日
◎今日のテキスト
元旦正午、DC四型四発機は滑走路を走りだした。ニコニコと親切な米人のエアガールが外套を預る。真冬の四千メートルの高空を二〇度の適温で旅行させてくれる。落下傘や酸素吸入器など前世紀的なものはここには存在しない。爆音も有って無きが如く、普通に会話ができるのは流石《さすが》である。
読売社の年賀状をまくために高度六百メートルで東京を二周する。神宮と後楽園の運動場が意外に大きい。ビルディングは小さなオモチャ。機上から見た下界の物体は面積の大小しか存在しない。
第一周はみんな珍しがって窓に吸いついていたが、二周目には音がないから振りむくと、一同イスにもたれ飛行機は何百回も乗り飽いてるよとノウノウたる様子。チェッ、珍しがっているのはオレだけか。相棒の福田画伯だけセッセとスケッチしているから、私も商売。ひがむべからず。
――坂口安吾「新春・日本の空を飛ぶ」より
◎自然治癒力(二)
こんな経験はないだろうか。忙しい日々を送っていて、ふと休暇が取れ、のんびりすごせる日がやってきた。そんなときに限って風邪をひいてしまう。
気がはっていると風邪をひかない、などといういいかたをすることもある。逆をいえば、安楽にしているとつい病気につけこまれる、ということになる。
医学的に証明するのは難しいが、たしかに気持ちがはりつめているときには病気になりにくいような気がする。つまり、免疫力も高まっているような気がする。しかしそういうときは忙しいので、身体は疲れているしストレスがかかっているのだ。
このように、こころや身体にある程度の負荷がかかっているとき、免疫力は逆にがんばって強くなっていて、病気になりにくくなっているといえるかもしれない。
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