◎今日のテキスト
青き葉の銀杏《いちょう》の林、
細《ほそ》らなる若樹《わかき》の林。
はた、青き白日《ひる》の日かげに、
葉も顫《ふる》ふ銀杏の林。
そのもとを北へかすめる、
ひややけき路《みち》のひとすぢ、
かすかにも胡弓《こきゅう》まさぐり、
ゆめのごと、われはたどりぬ。
――北原白秋『第二邪宗門』「青き葉の銀杏のはやし」より
◎集中するということ(一)
仕事にせよ勉強にせよ、あるいは音読にせよ、なにかを集中してやろうとするとき、雑念や物音や余計な刺激を「排除」しようとしたり、無視してなかったことにして、そのものごとだけに心を向けようとする。それがなかなかうまくいかないことはだれもが経験のあることだろう。
それは「集中」ではなく「執着」といいかえることができる。本当の集中とは、自分がおこなっていることを完全に把握していながら、まわりから入ってくる情報もシャットアウトすることなく気づいていて、そちらにも対応できる柔軟なリラックスした状態を保っているときに起こる。これを「フロー状態」といったりもする。
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