2013年2月11日月曜日

2月11日


◎今日のテキスト

 親譲《おやゆず》りの無鉄砲《むてっぽう》で小供の時から損ばかりしている。小学校に居る時分学校の二階から飛び降りて一週間ほど腰を抜かした事がある。なぜそんな無闇《むやみ》をしたと聞く人があるかも知れぬ。別段深い理由でもない。新築の二階から首を出していたら、同級生の一人が冗談《じょうだん》に、いくら威張《いば》っても、そこから飛び降りる事は出来まい。弱虫やーい。と囃《はや》したからである。小使《こづかい》に負ぶさって帰って来た時、おやじが大きな眼《め》をして二階ぐらいから飛び降りて腰を抜かす奴《やつ》があるかと云《い》ったから、この次は抜かさずに飛んで見せますと答えた。
 ――夏目漱石『坊っちゃん』より

◎音読療法がめざすもの

 音読療法はだれもがいつでも、特別な道具を使わなくてもおこなえるセルフメンタルケアのすぐれた方法だ。現代社会において心身の不調を抱えていたり、その予防に気を配っている人は多い。そういう人たちに簡便で、しかし効果的な方法を提供しようとして体系化されたのが音読療法だ。
 学生、新社会人、中間管理職、主婦など、あらゆる層にうつの傾向が広がっている。それらに対処したり予防することにも音読療法はシンプルながら大きな力を持っている。また、高齢化社会を迎えて、だれもが元気なまま年を重ねたいと願っている。介護予防にも音読療法は一役買うことができるだろう。
 ひとりでも多くの人が音読療法を身につけ、イキイキと人生を楽しんでくれることを私は願っている。

0 件のコメント:

コメントを投稿