◎今日のテキスト
僕は、僕の母の胎内にゐるとき、お臍《へそ》の穴から、僕の生れる家《うち》の中を、覗いてみて、
「こいつは、いけねえ」
と、思つた。頭の禿げかゝつた親爺と、それに相当した婆《ばば》とが、薄暗くつて、小汚く、恐ろしく小さい家の中に、坐つてゐるのである。だが、神様から、こゝへ生れて出ろと、云はれたのだから、
「仕方がねえや」
と、覚悟をしたが、その時から、貧乏には慣れてゐる。
——直木三十五「貧乏一期、二期、三期」より
◎音読療法でストレスマネジメント
普段から身につけておけば、いざというときにとても役に立つ。
だれかから不愉快なことをいわれてムカついた、上司からしかられた、うっかり口をすべらせて相手を怒らせてしまった、などなど、期せずしてストレスを受けることがある。そんなとき、自分の呼吸を観察し、マインドフルネスを心がけることで、ストレスに対処できるようになる。その対処プロセスのひとつが、音読療法である。
呼吸、発声、音読でのマインドフルネス、反芻思考からの離脱。いつでもストレスに対処できる方策を持っているという自信が、世の荒波にこぎだす楽しさを保証する。
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